第2回 血液5ccで分かる、“あなたの免疫の今”

「最近、疲れが取れにくい」
「健康診断では異常なし。でもなんだか不安…」
そんな“未病”のサインに気づくための新しい方法が、いま注目を集めています。
それが、免疫チェックです。
第1回では、「免疫は“量”ではなく“質とバランス”が大事」であり、キラーT細胞がその鍵を握ることをお伝えしました。
今回はその続編として、「血液5ccでわかる“免疫の今”」について。
どんな検査なのか? どんな変化がわかるのか?
そして、実際に免疫を整えることで起こった変化とは?
予防医療の新たな切り札として期待される免疫チェックについて、くまもと免疫統合医療クリニック院長・赤木純児先生にお話を伺いました。
目次
免疫チェックとは?「今の自分の免疫状態」を可視化する検査
前回、免疫の“見える化”にはキラーT細胞が重要という話がありました。今回の免疫チェックとは、どのようなものですか?
赤木先生(以下省略)
免疫チェックとは、一言で言えば今の自分の免疫力が戦える状態にあるかどうかを数値で可視化できる検査です。
キラーT細胞には「活性型」「抑制型」「疲弊型」という3つのタイプがあるのですが、この比率を調べることで、免疫の質やバランスが見えてきます。
検査方法は?血液5ccで細胞のタイプがわかる
検査はどのように行うのでしょうか?
方法はとてもシンプルです。
腕から血液を5cc採取し、それをフローサイトメトリーという機械で分析します。
細胞表面のマーカーを染め分けることで、それぞれのキラーT細胞の状態を見分ける技術です。
結果は1週間ほどで出ます。
それだけで、がんや老化の兆しが分かるんですか?
病気を診断する検査ではありませんが、その予兆に気づける検査として非常に有用です。
たとえば、抑制型キラーT細胞が多い場合、免疫にブレーキがかかっていてがん細胞が活動しやすい状態になっている可能性があります。
また疲弊型が多い場合は、ミトコンドリア機能の低下──つまり、老化や慢性疲労が進んでいるサインと考えられます。
まだ病気じゃない「ゆらぎ」をとらえる
症状が出ていない段階でも、免疫の変化は分かるんですか?
はい。CTやPETなどの画像検査には映らない“ごく初期の免疫の乱れ”も、この検査でとらえられることがあります。
たとえば、「なんとなくだるい」「疲れやすい」など、健康診断では異常なしでも調子が悪いと感じている人。
その背景には、免疫バランスの乱れがあるかもしれません。
「異常あり」と言われると怖く感じる人もいそうです。
気持ちはよくわかります。
でも、これは病気を探すための検査ではなく、“予防のための検査”です。
たとえば抑制型が多ければ、生活習慣の見直しや水素の活用。
疲弊型が多ければ、腸内環境の改善やミトコンドリアのケアといった対策を事前に打てるんです。
「異常が出る=手が打てる」と考えていただければと思います。
なるほど。「今なら間に合う」と知れるわけですね。
そうです。むしろ「何も出なかった」ことに安心してしまって、本当に体が悲鳴をあげるまで放置するほうが怖い。
免疫チェックは、まだ病気ではない段階で、自分の内側の変化に気づくためのセンサーなんです。
【実例紹介】乳がん患者が感じた体の変化
実際に検査を受けた方からは、どのような声が届いていますか?
「思っていたよりブレーキがかかっていた」
「疲れの原因がはっきりしてスッキリした」
といった感想が多いですね。
特に「なんとなく不調」だった方が、免疫状態を知ることで生活を見直すきっかけになったという声が多数あります。
免疫の状態を整えたことで変化が出た方はいますか?
はい。たとえば、52歳のF・Sさんという乳がんの女性の例があります。
治療前は肌のくすみや乾燥が目立ち、顔色にも活力がありませんでした。
免疫チェックでは、疲弊型キラーT細胞が多く、活性型が極端に低い状態でした。
そこで、水素ガス吸入と温熱療法を組み合わせたケアをスタートしました。
どのような変化があったのでしょう?
数ヶ月後には、見た目にも明らかな変化が現れました。
肌にハリが戻り、顔色や表情も明るくなったんです。ご本人も「頬がふっくらして疲れにくくなった」と話されていました。
腫瘍も57%縮小し、免疫検査でも活性型キラーT細胞の回復が確認されました。
免疫チェックはどこで受けられる?費用は?
この検査は誰でも受けられますか?
はい、受けられます。ただし、現在は全国で対応している医療機関は3か所程度です。
私のクリニック(くまもと統合免疫クリニック)でも実施していますが、今後は全国100か所への拡大を目指しています。
費用はどれくらいかかりますか?
1回あたり約2万円です。
他の検査(たとえばCTC検査)は10〜60万円かかることを考えると、非常にリーズナブルです。
しかも、年に1回で十分なので、健康診断のように定期的に受けることで、自分の免疫状態を継続的に把握できます。
「治す」より「防ぐ」時代へ。予防医療の新たなスタンダード
これはまさに“予防医療”ですね。
はい。私が一貫して伝えているのは、「治療」よりも「予防」が大切だということです。
免疫力は、病気が進行してから整えるのは難しい。
でも、今の状態を知って必要なケアを始めれば、未来は大きく変えられます
次回予告:がんは“免疫をかいくぐる病気”
次回は、免疫とがんとのつながりについてお話しします。
なぜ今、“予防”がこれほどまでに注目されているのか──その本質に迫ります。
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