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ニボルマブ(オプジーボ)とは?免疫の力でがんを治す最新治療

免疫について

ニボルマブ(オプジーボ)とは?免疫の力でがんを治す最新治療

「がんを治す薬」と聞いて思い浮かぶのは、抗がん剤や手術という方が多いかもしれません。
でも、いま注目されているのは“免疫の力”を使ってがんを退治する治療法です。
その代表選手が「ニボルマブ(商品名:オプジーボ)」。
2014年に日本で世界初承認されて以来、数多くのがん患者さんに希望を届けています。
この記事では、ニボルマブの仕組みや効果、どんな人が使えるのか、副作用や費用面まで、やさしく解説していきます。

1. ニボルマブ(オプジーボ)とは?

ニボルマブは、「免疫チェックポイント阻害薬」に分類されるがん治療薬です。
商品名は「オプジーボ」で、小野薬品工業株式会社とブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社が共同開発しました。

特徴は、がんそのものを直接攻撃するのではなく、自分の免疫の力を回復させてがんを攻撃させるという点。
つまり、これまで眠っていた“免疫細胞の戦闘力”を呼び起こすのが役割です。

関連用語【免疫チェックポイント阻害薬】について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

免疫チェックポイント阻害薬(ICI)とは?
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2. 免疫チェックポイント阻害薬のしくみ

人の体には「免疫」という防衛システムがあります。
しかし、がん細胞はこの免疫から逃れるために、“ブレーキ”のような信号(PD-1とPD-L1の結合)を出します。

ニボルマブはPD-1に結合して、このブレーキ(PD-1とPD-L1の結合)の働きを止めます。
その結果、T細胞(免疫細胞)が再びがんに立ち向かえる状態になるのです。

例えるなら、がん細胞がかぶった「透明マント」(ブレーキ)を、ニボルマブが外して見えるようにするイメージです。
免疫チェックポイント阻害薬の作用メカニズム図解

3. 対象となるがんの種類

2025年4月現在、ニボルマブが使えるがんの種類は多数あります。

  • 悪性黒色腫(メラノーマ)
  • 非小細胞肺がん
  • 腎細胞がん
  • 胃がん
  • 食道がん
  • 頭頸部がん
  • 膀胱がん
  • 肝細胞がん(肝がん)
  • 大腸がん(特定の遺伝子タイプのみ)
  • ホジキンリンパ腫

また、一部のがんでは化学療法と併用することで効果が高まるケースもあります。

4. ニボルマブの効果と治療成績

すべての人に効くわけではありませんが、従来の治療では効果が出にくかった患者さんに対しても延命効果が見られるという点が注目されています。

たとえば、非小細胞肺がんでは、化学療法単独よりもニボルマブ併用で生存期間が延びたという臨床試験結果があります。

ただし、個人差があり、“効果が続く人”と“効かない人”の差が大きいのも特徴です。

5. 主な副作用と注意点

免疫が強く働きすぎることで、正常な細胞にも攻撃を加えてしまう「免疫関連副作用(irAE)」が起こることがあります。

代表的な副作用

  • 発疹やかゆみ
  • 下痢や腸炎
  • 肺炎
  • 肝機能障害
  • ホルモン異常(甲状腺機能低下など)

これらは早期発見・早期対応が重要。
治療中は定期的な血液検査や問診が必要です。

6. 治療の流れと投与スケジュール

ニボルマブは点滴で2週間または4週間に1回のペースで投与されます。
1回あたり30〜60分程度の外来治療が主流です。ニボルマブ治療のスケジュールと流れの図解

治療期間は患者さんの状態によって異なりますが、がんが安定している間は継続投与されるケースが多いです。

7. 治療費と医療制度との関係

ニボルマブは高額な薬剤として知られています。
しかし、日本では高額療養費制度があるため、自己負担は月数万円程度に抑えられることがほとんどです。

また、がんの種類やステージによっては、公費負担や先進医療の対象になる場合もあります。

8. まとめ:がん治療の未来を変える新しい選択肢

ニボルマブ(オプジーボ)は、「免疫の力」を活かした画期的ながん治療薬。
従来の抗がん剤とは違い、自分の体の力でがんに立ち向かえるチャンスを広げてくれます。

もちろん、副作用や費用など注意点もありますが、正しく理解し医師と相談すれば、大きな希望になり得る選択肢です。
がんに向き合うすべての人にとって、“知っておきたい治療法”のひとつとして、ぜひ参考にしてみてください。

 


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