MDSCとは?がんや慢性感染症との関係を徹底解説!
「MDSC(骨髄由来抑制細胞)」は、免疫の働きを抑える細胞として注目されています。がんや慢性感染症の進行に関与しており、最新の研究でも重要視されています。本記事では、MDSCの役割やメカニズム、治療への応用について詳しく解説します。
1.MDSCとは?基本的な概要
MDSC(Myeloid-Derived Suppressor Cells、骨髄由来抑制細胞)は、免疫システムを抑制する特殊な細胞群です。通常、炎症や感染が起こると免疫細胞が活性化します。しかし、MDSCはこの働きを抑制し、過剰な免疫応答を防ぐ役割を果たします。
MDSCは主に骨髄で産生され、血液や腫瘍組織に移動します。正常な免疫調節の一部ですが、がんや慢性感染症の環境では、異常に増殖し免疫抑制を強めます。その結果、病気の進行を助長してしまうのです。
2.MDSCが免疫に与える影響
MDSCは、さまざまな方法で免疫細胞の働きを抑制します。特にT細胞(免疫を司るリンパ球の一種)の機能を阻害し、がん細胞や感染細胞を攻撃する力を弱めます。
MDSCの代表的な作用は以下の通りです。
アルギナーゼ-1の産生
T細胞の成長に必要なL-アルギニンを分解し、T細胞の働きを低下させる。
活性酸素の放出
T細胞を酸化ストレスにさらし、その機能を低下させる。
サイトカインの分泌
免疫抑制を促進するIL-10やTGF-βを分泌し、免疫の働きを鈍らせる。
これらの働きにより、MDSCは病原体やがん細胞に対する免疫応答を弱めてしまいます。
■ 関連用語【T細胞】について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

免疫の司令塔が果たす重要な役割 この記事を読むeast
■ 関連用語【サイトカイン】について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

体内ネットワークを操る小さな指令役この記事を読むeast
3.MDSCとがんの関係
がん患者の体内ではMDSCが異常に増殖し、腫瘍免疫を抑制します。がん細胞はMDSCを利用し、自らの増殖を助長させます。
MDSCとがんの関係は次のように整理できます。
- 腫瘍の成長を助ける
免疫細胞の攻撃を抑えることで、がん細胞の増殖を助長。 - 抗がん剤の効果を弱める
免疫療法や化学療法に対する抵抗性を高める。 - 転移を促進する
がん細胞の移動を助け、新たな転移巣の形成を促す。
がん治療の成功には、MDSCの抑制が重要な要素となります。
4.MDSCと慢性感染症の関連性
慢性感染症とは、長期間にわたって続く感染症のことです。HIV、結核、B型・C型の慢性肝炎 などが代表例です。これらの疾患では、MDSCが過剰に働くと免疫応答が抑え込まれ、病原体を排除しにくい状態が続きます。
例えば、
- HIV
MDSCがT細胞の働きを阻害し、ウイルスが増えやすい状況を生みます。 - 結核
MDSCがマクロファージの殺菌能を低下させ、細菌の持続感染を招きやすくします。 - B型・C型の慢性肝炎
MDSCが抗ウイルス応答を弱め、ウイルス排除の妨げとなることが報告されています。
このように、MDSCの過剰は病原体の排除を妨げ、病気の長期化や悪化の一因となります。
(※影響の程度は疾患や病期によって異なります)
5.MDSCを標的とした治療法
近年、MDSCの抑制を目的とした治療法が研究されています。代表的なアプローチには以下のものがあります。
1. 薬剤による抑制
- シスプラチンなどの化学療法薬がMDSCを減少させる可能性。
- チロシンキナーゼ阻害薬がMDSCの分化を抑制。
2. 免疫療法との併用
- 免疫チェックポイント阻害剤(PD-1阻害薬など)と組み合わせることで、治療効果を向上。
- ワクチン療法と併用することで、免疫応答の活性化を促進。
3. 食事や生活習慣の改善
- 抗炎症作用のある食品(オメガ3脂肪酸、ポリフェノール)を摂取。
- 適度な運動による免疫機能の向上。
これらのアプローチにより、MDSCの働きを抑え、がんや慢性感染症の治療効果を高めることが期待されています。
6.まとめ
MDSCは、がんや慢性感染症の進行に大きく関与する免疫抑制細胞です。適切な抑制方法を見つけることで、免疫機能を回復させ、治療効果を向上させることが期待されています。今後の研究によって、MDSCを標的とした新たな治療法の開発が進むでしょう。
健康を維持するためには、日々の生活習慣が大切です。しかし、いざという時に適切なサポートを受けられる環境も重要ではないでしょうか? エクセレントジャパンの医療クラブでは、あなたの健康を支えるためのサポートをご用意しております。ぜひ、この機会にご検討ください。
※本記事は一般的な情報を元に作成しております。記載内容の詳細については専門家にご確認ください。