アレルギーに関わる好酸球・増える原因減る原因

「好酸球」という言葉、健康診断の血液検査結果などで目にしたことがある方も多いでしょう。
でも、好酸球とは一体何なのか、どういった働きをしているのかは、意外と知られていません。

この記事では、「好酸球数値が高い・低い場合にどう対処するか」、「好酸球の増加の原因とは？」など、知っておきたい基礎知識をわかりやすく解説します。
アレルギー疾患や喘息、慢性的な炎症が気になる方にも役立つ情報が満載です。

好酸球とは、私たちの体内にある白血球の一種です。
白血球は体を守る免疫システムの一部で、細菌やウイルスなどの異物と戦う役割を持ちます。

その中でも好酸球は、特に寄生虫やアレルゲンに対して働きます。
つまり、アレルギー反応や一部の感染症の際に活発になる細胞なのです。

血液中の好酸球は通常、ごく少量しか存在していません。
ところが、アレルギー性疾患などが起こると、好酸球が増えやすくなります。

では、好酸球の数値はどのくらいが正常なのでしょうか。
一般的には、白血球全体の1〜4％程度とされています。血液検査の好酸球数値に関する図表

血液検査好酸球の項目では、好酸球増加が見られると異常値として扱われます。
数値でいうと、およそ350/μL（マイクロリットル）以上になると「多い」と判断されることが多いです。

ただし、検査機関や病院によって基準値は若干異なります。
検査結果を見たときには、必ず担当医の判断を仰ぎましょう。

好酸球の増加にはさまざまな原因があります。

まず代表的なのはアレルギー性疾患です。
喘息やアトピー性皮膚炎、花粉症などで好酸球が活発になります。

さらに、好酸球性副鼻腔炎や好酸球性肺炎といった特殊な疾患でも顕著な増加が見られます。

他にも、寄生虫感染や自己免疫疾患の影響で増加するケースがあります。
たとえば、全身性血管炎などがその一例です。

また、薬剤性（特定の薬に対するアレルギー反応）でも好酸球増加が引き起こされることがあります。好酸球増加の原因を示す図表

一方で、好酸球の減少が見られる場合もあります。
こちらは重大な病気というよりは、強いストレスや感染症が関係しているケースが多いです。

また、ステロイド薬を服用している場合は、意図的に好酸球が減少します。
これは治療効果の一環なので、むしろ望ましい反応といえます。

一時的な好酸球減少はさほど問題にならないことが多いですが、長期的に続く場合は医師に相談しましょう。

健康診断や人間ドックで行われる血液検査では、「血液像」の項目に好酸球の数値が含まれています。

血液検査で好酸球の数値が基準から外れていると、再検査や追加検査が提案されることがあります。

高い場合は、アレルギー疾患や寄生虫感染などの確認が行われます。
逆に低すぎる場合は、ストレスやホルモンバランスの乱れなどもチェック対象になります。

喘息との関連は特に有名です。
喘息患者の多くは、発作時に好酸球増加が見られます。

最近注目されているのが、好酸球性副鼻腔炎です。
通常の副鼻腔炎とは異なり、好酸球が炎症に大きく関わっているタイプで、治療にも特殊なアプローチが必要になります。

さらに、好酸球性肺炎や好酸球性食道炎など、各臓器に関わる疾患も報告されています。
いずれも血液検査好酸球のデータが診断や治療方針の決定に活かされています。

好酸球とは体を守るための大切な免疫細胞です。
しかし、過剰な反応はアレルギー症状や炎症の悪化につながることがあります。

好酸球数値が高い・低いからといってすぐに心配する必要はありません。
まずは血液検査好酸球の結果を確認し、必要に応じて専門医に相談しましょう。

好酸球増加や好酸球減少の背景には、多くの要因があります。
ライフスタイルを整え、ストレスを軽減し、適切な治療を受けることが大切です。

■ 関連用語【免疫細胞】について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

白血球とは？免疫の主役をわかりやすく解説

好酸球とは体内の免疫を支える重要な細胞であり、正常な状態を保つことが健康維持につながります。
血液検査好酸球の数値変化に注目し、適切な知識と対処法を身につけましょう。
アレルギー疾患や喘息との関係性も意識して、日々の健康管理に活かしてみてください。

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