多血症とは?“血が濃い”人に潜むリスクと早期発見のポイント
「血が濃い」と聞くと健康そうに思うかもしれませんが、実は体に負担をかける病気のひとつが「多血症」です。
多血症とは、血液中の赤血球が増えすぎた状態を指します。血液がドロドロになり、血液の流れが悪くなることで、脳梗塞や心筋梗塞といった重い合併症を引き起こすこともあります。
この記事では、医療的な信頼性に基づいて多血症の原因・症状・検査・治療法をわかりやすく解説します。専門用語も噛み砕いて説明しますので、健康に関心のある方や、血液検査の結果が気になる方にぜひ読んでいただきたい内容です。
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目次
1. 多血症とは?血が濃くなる仕組みをわかりやすく解説
多血症とは、血液中の赤血球が異常に増加した状態を指します。赤血球は、体の隅々まで酸素を運ぶ大切な細胞です。しかし、必要以上に増えると血液が濃くなり、いわゆる「血がドロドロ」な状態(血液粘稠度の上昇)になります。
血液が濃いと、血液の流れが悪化して血栓症(けっせんしょう)のリスクが高まります。血栓とは、血管の中にできる「血のかたまり」のことです。脳や心臓などの重要な臓器に詰まると、脳梗塞や心筋梗塞といった命に関わる症状を引き起こします。
また、多血症には大きく分けて「真性多血症」と「二次性多血症」の2種類があります。前者は骨髄の造血幹細胞が過剰に働く病気であり、後者は酸素不足やホルモンの影響によって起こるものです。
2. 赤血球が増える原因 真性多血症と二次性多血症の違い
真性多血症は、骨髄で血液をつくる仕組みに異常が起き、赤血球が過剰に作られる病気です。特に「JAK2遺伝子変異」という異常が関与していることが知られています。
一方、二次性多血症は外的な要因で赤血球が増えるタイプです。例えば、慢性的な低酸素状態(高山病や睡眠時無呼吸症候群など)や、喫煙による酸素不足が原因となることがあります。
さらに、脱水や利尿剤の使用などで血液中の水分が減ると、相対的に赤血球が多く見える「相対的多血症」もあります。これは一時的な状態で、体内の水分バランスを整えることで改善されます。
3. 気づきにくい多血症の症状と日常で見られるサイン
多血症は初期段階では自覚症状がほとんどありません。しかし、血液が濃くなることで次第にさまざまなサインが現れます。
代表的な症状には次のようなものがあります。
- 顔の赤み(特に頬や鼻のあたり)
- 頭痛・めまい・耳鳴り
- 手足のしびれや冷え
- 入浴後の強いかゆみ
- 倦怠感や息切れ
- 指先の痛み(肢端紅痛症)

これらは血液の流れが滞ることで生じる症状です。特に真性多血症の場合、皮膚がかゆくなる「温熱性掻痒」や、脾臓が腫れる「脾腫(ひしゅ)」が特徴的です。
4. 血液検査で何がわかる?診断と数値の見方
多血症の診断には、まず血液検査が行われます。重要なのは「ヘマトクリット値」と「ヘモグロビン値」です。
一般的にヘマトクリット値が男性で49%以上、女性で48%以上を超えてくると、多血症の疑いがあるとして精査が検討されます。健康診断の結果でこれらの数値に「再検査」や「要指導」の判定が出た場合は注意が必要です。

真性多血症が疑われる場合は、必要に応じて骨髄検査や遺伝子検査(JAK2 V617F変異の有無)を行い、診断を確定させます。また、酸素飽和度やエリスロポエチン(EPO)濃度を測定することで、二次性(他の病気や環境が原因)かどうかを見極めることが可能です。
5. 瀉血や薬物療法など治療法と予防のポイント
多血症の治療は、原因とタイプによって異なります。
真性多血症の場合は、定期的に血を抜く「瀉血(しゃけつ)療法」が基本です。これは余分な赤血球を減らし、血液の粘りを抑える方法です。
さらに、低用量アスピリンを使用して血栓を防ぐことや、細胞増殖を抑える薬(ヒドロキシウレアなど)を使うケースもあります。
一方、二次性多血症では、原因となる病気を治療することが大切です。
たとえば、睡眠時無呼吸症候群が原因ならCPAP治療を行い、喫煙が要因なら禁煙を実施します。
また、生活習慣の改善も欠かせません。十分な水分補給を行い、脱水を防ぐことが血液の濃縮を抑えるポイントです。血栓のリスクを高める高血圧や脂質異常症を管理するため、塩分や脂質を控えるなど生活習慣の見直しも重要です。
6. まとめ
多血症は、赤血球が増えすぎることで血液が濃くなり、血栓症などの深刻な合併症を招く病気です。自覚症状が少ないため、健康診断や血液検査で見つかるケースも多くあります。
特に「ヘマトクリット値が高い」「顔が赤い」「頭痛やめまいが続く」といった症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
血液の濃さは、体のバランスを崩すサインです。瀉血療法や生活習慣の見直しによって、管理しやすくなります。
定期的な健康チェックと適切な治療で、血液を健やかに保つことを目指しましょう。
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※本記事は一般的な情報を元に作成しております。記載内容の詳細については専門家にご確認ください。